医療制度研究会 〜21世紀の医療を共に考える会〜

第25回 特定医療機関におけるDPC(包括医療制度)の経験 < 第21回 〜 第30回 > 第27回 いま患者が医療に望むこと

講演会

●第26回医療制度研究会講演会講演要旨

「未然防止・医療と製造業の間で」


General Motors North America:Executive Director 吉村 達彦 先生
◇ 吉村先生の御活動
  吉村先生は東北大学卒業後、1968年にトヨタ自動車に入社、信頼性が高いことで有名なトヨタの設計部門で長年予防安全を担当され、2000年より九州大学の工学研究院教授となり、在任中に九州大学付属病院の医療安全管理部のアドバイザーをされたご経験があります。最近この分野の必要性からジェネラルモータースにリクルートされ、車の製品開発の未然防止を指導するExecutive Directorとしてアメリカで御活躍中です。また2002年には著書「トヨタ式未然防止手法GD3」が2002年度の日経品質管理文献賞(デミング賞委員会)を受けています。

◇ 製造業と安全
  製造業の場合、製品の開発とは新しいシステムを開発してお客さんに喜んでもらおうということだが、世に出したときにお客に迷惑がかからないで済ますことができるかどうかということはもっと大切でこの繰り返しが製品の開発プロセスということができる。1960年代からリコール制度、廃棄ガス制限、PL法施行などをクリアしながら徐々に安全性が高められてきた。医療はこの10年間にいっぺんにこれを達成しなければならないから大変なことだと思っている。
  製造業では製品の開発と製造はお客の関わらないところで行われ、製品が発売された後になってからお客の反応が返ってくる。未然防止のプロセスは開発と製造の過程に集中して行われる。一方医療では製造にあたる部分は少なく、サービスはすぐにお客に提供され、反応もすぐに返ってくる。開発に関して言えば、薬品や医療機械の分野は製造業と似ているが、多くは開発と製造とは明確になっておらず、未然防止もどの部分に働かせることができるかが難しい。医療が未然防止したいものは、医療事故であり医療訴訟であるが、実際には毎日のようにこまごまとしたさまざまな医療の品質問題があり、たまに大きな事故が起き、こじれれば医療訴訟に発展するのが現状と思う。

◇ ハインリッヒの法則と医療側が痛まない医療事故の特徴
  ハインリッヒの法則は、1件の重大事故の背景には軽度の事故が29件、こまかいインシデントは300件、その他に危険な行為は数限りないという。重大事故は重大事故の原因があり、インシデントにはインシデントの原因がある、という考え方をすればインシデントに着目しても始まらないことになるが、実際の事故はいろいろな要因が重なっているから、ヒアリハットを院内で共有でき、その部分が減るようになれば重大事故も減る、インシデント対策をすることに意味があるということになる。
  医療事故や製造業の問題は、事故が直接自分自身に振りかかってくる労働災害と異なり、医療側や製造会社が起こした事故で被害を受けるのはお客さんである。お客は痛んでも、もしかすると医療者や製造会社はヒアリもハットもしないかもしれない。つまりいくらインシデントの報告システムを作っても、お客の立場に立って考えるという下地が無いとだめで、問題はいかにヒアリとさせ、ハットさせることから始めないといけない。看護師のレポートが多く医者のものは少ないというが、もともとそういうもの、意識を向上させることが問題である。

◇ 事故の対策とともに重要なのは安全意識の向上
  意識を向上させるためにはどうするか、日本的な考え方では問題発見能力を風土や意識や倫理観によって植え付けることをやっている。一方のアメリカでは仕組みやシステムや指示系統、業務や責任を明確にすることによって行っている。病院でインシデントの部分をものやシステムによる確実な対策をもって改善することは必要なことであるが、それによって感度が鈍くなったのでは意味が無い。対策がかえって新しい危険を生むこともある。ひとつの対策をしたら感度を上げる対策もする。「確実な対策」と「意識の向上」が車の両輪と考えている。これに「仕事の仕組み」と「風土の醸成」を加えて四輪と考えている。

◇ システムに強いアメリカは意識に欠け、意識が高い日本はシステムに弱い。
  アメリカではシステムが大変によくできていて役割と責任が明確である。ルールにのっとって仕事をすることが大切で、ルールにのっとっていれば良いともいえる。一方日本ではシステムや役割と責任が明確ではない代わりに、いつも問題の芽はどこにあるかという考え方をする。大きな差は意識が強いか強くないかという点であると感じる。
  意識を向上させようと思うが、意識の英語訳に適当なものが無い。考えた末、意識とはAwareness worry about quality by all the people all the time という訳にした。日本ではTeamといえばみんなでやることだが、アメリカでTeamといえば誰がどの役割というようにやる人を決めてteamに任せることである。チームワークの概念が異なると感じている。

◇ 日本の製造業とGD3
  日本の製造業のやり方はプラン(Design)を立ててまずやってみる。デザインの部分が貧弱だが、やってみる間に問題を良く見て解剖(Dissection)し議論(Discussion)したうえでフィードバックし良いデザインにつなげることをやる。この3つをしっかり行うこと(Good 3D)が著書に書いたGD3である。日本の製造業はDesign に弱く、アメリカではその後のDissection とDiscussionをやらない。アメリカではシステムを変更した部分のつなぎに問題が生じることが多い。日本はよいシステムを作ることにエネルギーを集中できない悩みがあり、アメリカには良いシステムを作ってもつなぎの問題で品質の向上につながらない悩みがある。Good design を医療の分野に置き換えると、薬はよく練れているが、器具や装置はすこし落ちるし、医療管理システムはうまく作動していないと思う。

◇ トヨタの製品管理の基本は「ジャストインタイム」と「自働化」。
  終戦からの復興でトヨタの社長だった豊田喜一郎氏は3年でアメリカに追いつく、そのためには一桁(10倍)生産性を上げることを目標にしろといった。その方針達成のために出された生産方式の2本の柱は「ジャストインタイム」と「自働化」だった。
  物を作るためには無駄なものを作ってはけない。たくさん早くものを作るラインで不良品が出るとたくさんの不良品を作ることになるので避けなければならなかった。効率よくラインを回すことより、何か起きたときにラインを止めるやりかたに知恵を絞った。糸一本が切れても人の目と同じセンサーで感知して人の手と同じ確かさでラインが止められることが求められた。これが「自動化」ならぬ「自働化」の思想だった。必要なものを必要なだけ生産する。トヨタは会社全体が「ジャストインタイム」と「自働化」という二つの言葉にしつこくこだわり続けてきたことにより、生産方式が世界に認められることになった。

◇ 無駄の排除「ジャストインタイム」
  生産性の向上はたくさん物を作ることではなく、徹底した無駄の排除にあった。つくりすぎの無駄、手持ちの無駄、運搬の無駄、加工そのものの無駄、在庫の無駄、動作の無駄、不良を作る無駄であり、これはそれぞれが二つの言葉に連動している。
  ジャストインタイムは必要なときに必要なだけ供給される、つまり指標となるのは在庫0の状態である。これはトヨタがアメリカに見学にいき、異業種のスーパーマーケットの方式を参考にした。スーパーマーケットではお客が後工程で、それに合わせて必要なだけ前工程にとりに行く。前工程は引き取られた分だけ生産するというシステムになっている。お客(後工程)が一度に製品をとりに来ると前工程が混乱する。平準化生産が必要となる。
  かんばん方式というのは後工程が必要な分だけ前工程にとりに行き、前工程は看板が外れた分だけ生産する。不良品を出した場合は不良品を出した工程が痛さを感じる仕組みになっている。在庫に余裕があるとラインは止まらず製品はできるから不良品があってもだれも問題を感じない。かんばん方式は問題を小さいうちに認識できる仕組みである。
  工程を安定化するために平準化が行われる。安定供給のためにはロットを小さくして同じものを大量に流さないことが行われる。段取替えの効率化を行い、能力開発にあたっては、専門化よりは多能工化が行われ、いろいろな車を作れる能力が養成される。仕事は標準化を行うが、一人の人がひとつの仕事をやりやすいように標準化するのではなく、いろいろなことを誰がやってもできるようにするのが標準化である。標準は現場の人間が作り上げるものであり、やらせるために標準化するものではない。

◇ ラインを止めて原因を究明する仕組み「自働化」。
  自働化は異常があれば作業者の判断でラインを止め、原因を見つけることである。自動システムの中でも「人間の目(判断能力)」を組み込んで止めることが行われる。ラインの中に問題が生じた場合はそのひとの判断で紐を引いて全体のラインを止めることができる。これは問題を顕在化することに役立っている。ラインを動かすため臨時的な操作をすると怒られる。つまり自分たちが原因を考えろ。なぜ?なぜ?を5回繰り返して考えろ。その間はラインを止めてやる。という姿勢である。医療の世界では止めて考えることが受け入れられないといわれるが,本当だろうか。突き詰めて考える必要があるように思う。
  「あんどん」という制度は、生産ラインの各部署にパネルがありラインを止めた人がスイッチを入れるとライトが点灯しするようになっており、ラインが止まればどの部門がトラブルを抱えたかがすぐにわかるようになっている。あんどんがつけば、恥ではあるが、工場全体でその部門のことを考え全体の問題として共有ができる。ひとつの部門で生じた問題を全体が共有するために行われる。創設期のリーダーの一人である大野氏はいつも現場を歩き、怒鳴りつけながらいつも彼の思いを伝えていた。彼は情熱でメンバーを指導したが、後の人に引き継がれても基本は変わらなかった。豊田英二氏が彼の活動を支援した。

◇ トヨタ方式に学ぶこと「無駄を省く」−ジャストインタイム−
  私が提案する生産の管理モデルはPlan Do See Findであるが、このサイクルは問題が見える(Visualize)台の上で回すことが重要である。ジャストインタイムは在庫がたまったり切れたりすることで問題がすぐに明らかになる。在庫の無駄を省くという意味だけではなく、問題を芽のうちから明らかにするという意味が大きい。
  生産性の向上の基本は徹底的な無駄の排除である。無駄の排除は生産量などの結果ではなくムダ(プロセス)に着目することが良い。結果だけに目を向けていると無駄に目が行かなくなる。毎日毎日の業務の中で無駄を排除していく、この作業はひまなときでも忙しいときにも自分だけでできる唯一の生産性向上である。
  トヨタがスーパーマーケットに学んだように、異業種に学ぶことで創造的な解を見つけることができる。製造業に学ぶことは、そのものを直接持ってくるのではなく、形は自分たちに合わせることになるが、医療が得る物は大きいと思う。

◇ トヨタ方式に学ぶもの「ラインを止めて行う原因究明」−自働化−
  問題の芽を発見した後は、その芽の対策をすべきかどうかという問題になる。対策はラインを止めて考えることになるが、止めるかどうかは知恵ある人間の目にかかることになる。問題を見つけ対策すべきかどうかは人間の目が判断する。この部分は自動化できるものではなく人に頼る部分である。こうして人が育てられる。
  原因の究明は止めて考えることと、衆知を集めることで、失敗の共有ということになる。あんどんはどこで問題が起きているかを工場全体に知らせることになるが、失敗の共有の仕方の基本を示している。それにより自分たちのところにも同じことが起きないか、支援することは無いかと病院全体で考えるようになる。
  いくつかの要因がたまって事故は起きる。起きたものを取り上げて表面に現れたものだけに対応すると、水面下にもぐるので一見解決したように思うが、実はその下にはもっと大きな要因があり、そこが解決しないと再び同じようなことが起きることになる。止めて考えるということは本当の原因の解決になる。止めるということは医療の中では難しいことであるが、こういうものの考え方を医療の中に取り入れることは大切なことであると思う。

◇ 現場の知恵
  最も効率的な状態とは現場が現場の知恵で流れるように動いている状態である。これにはヴィジョンが共有されていること、人が活かされることである。松下幸之助も豊田喜一郎もフォードのマネージメントに学んだ。しかし人の捉え方が異なった。人を機械と同じ相関と考えるか、人は一人一人が異なるものであるということを活かすかという点で異なったといえるが、経営とは人の営みであるので機械と同じようにする必要は無いのではないかと思う。

◇ 現場への浸透は経営者の執着心
  大野氏が現場を歩き常に彼の思い彼の考えを伝えていた。物事を徹底するには人並みはずれた執着心、情熱が必要で、物事を変えようとするには執着心を倍増しなければならない。日本のマネージメントはトップが現場を歩き、肩を並べながら姿を見せて思いを伝えることが基本になっている。その後それらの人々が教育システムを作り現在も続いている。そこでは常に改良が行われるが、基本の思想は変わっていない。

◇ 生産ラインにおけるアメリカと日本の比較
  アメリカはシステムが重視され、seeとfindに頼らない。問題はいくつかの要素のうちもっとも弱いところで起きる。その要素を補強しても問題が起きるがそれはつなぎの部分に新たに問題が生じるからである。要素の強化以上につなぎの強化が必要になる。またつなぎを強化することにより、ここの要素の弱点を強化することができると思う。
  つなぎの科学という考えかたが必要になるが、まだそれは議論されていない。自分の考えでは、つなぎのところを見えるようにして問題を見つけることだと思う。日本人はつなぎのことをうまいこと知っていて、日本のシステムは責任を明確にしないでお互いの領域をダブらせることによってつなぎの部分を強化する手法がとられている。欧米では責任が明確なのでつなぎの部分がうまくいかない、役割を明確にするという文化の中で、つなぎの部分を強化する、つまりAll the People All the Timeを持ち込もうと思っている。

◇ 医療のマネージメントは医師の指導力と平等意識
  医療の中ではどうかというと、医師や看護師や他のコメディカルで構成されるチーム医療をやっている医師がチームリーダーであることには変わりないので上下関係は必要であるし、医師がチームをマネージメントする能力が必要になる。医師が医療以外にいかに関心をもち、人の動きに関心を持つかにかかっている。そして、職場やチームが見えるようにして、みんなが問題点を見分けていく、医師はチームのリーダーにならなければならない。あることをやるのに自分がトップになって指示することではなく、チームをマネージメントするという意識が必要である。それと同時にチームをマネージメントするには徹底的な平等意識が必要である。職場の人たちは皆平等であるという意識が会社としては大変に重要だと思う。一見矛盾した関係であるがこの関係を医師がいかにマネージするかが重要である。前に述べたように、問題を見つけるのにはインターフェイスの部分が重要で、上下関係ではうまくいかない。みんなが見つける。問題が見えるのには目の数に比例する。看護師が医師の問題点を見つけたらそれを指摘し医師がありがとうといえるような組織が良い組織と思う。これが感度を上げていくことに関係がある。

◇ 事故はつなぎの部分に起きる
  つなぎはインターフェースといわれ、人と人、物と人、物と物、システムと人などいろいろなインターフェイスがある。そしてその部分に問題が発生する。この部分に注目して、物が変わったときに何が起きるかを見えるようにして問題点を探っていく。
  九州大学でこんな事故があった。気管内に留置された気管チューブにネブライザーを接続するときに、T型のコネクターを使ってフリーに空気が流入する開口部を確保しながら接続する仕様になっていたものを、T型の代わりにL型のコネクターを用いたために、呼吸ができなくなった事故があった。以前採用されていたネブライザーでは噴霧用の酸素が細いチューブで並列に供給される仕組みになっていたが、この製品が使われなくなりT型コネクターを使う型に変わった。コネクターの接続のときによく似た形のL字型コネクターを使用してしまったことから起きたものであった。システムを変えるときにそれを作った側と、受け入れた側の間に、しっかりとした分析Good Dissectionが行われ真剣な議論Good Discussionがあればよかったのだと思う。

◇ つなぎ部分の問題解決の手法
  つなぎの部分の未然防止に必要な議論はどのようにするのか、企業ではFMEA(Failure Mode and Effects Analysis:故障モードと影響度解析)という信頼性管理手法というものがあり、システムを構成する部品や部位ごとに故障モードとその原因解析を行い、さらに上位のシステムへの影響度を判定して対策を決定する手法がある。開発段階でFMEAをクリアした製品でも導入に当たってはリスクがある。新しい問題点を事前に発見するためには、変更した側と受け入れる側が一緒になって議論することが必要と考え、DRBFM(Design Review based on Failure Mode)という手法を作った。一例を示すと導入担当者がシステムの変更にあたって予測されるリスクを「変更点」、「変更した理由」、「変更が他のシステムに与える影響」、「変更に伴う心配点」、「どのタイミングで起きるか」、「顧客への影響」、「どのような対処が必要か」などの事項を記入し、それぞれの項目について受ける側の関係者が議論して“他にないか”どうかを書き加えていく。こうすることにより実験による問題発見の倍以上の問題点を実験よりずっと前に発見することができる。九州大学病院でもこの手法でより多くの問題点を発見できた。

◇ まとめ
  問題の発見には問題の芽が見えるようになっていること(Good Design)が大切であり、現地現物ものをよく見て(Good Dissection)、お互いに平等であるという意識があり対等な立場で議論(Good Discussion)ができチームの中でみんなが問題を共有する、その上で病人にとって一番良いシステムGood Designを構築する。そしてまた問題点を見つけて新たにGood Designに反映されることが大切である。それが日本が得意とする「絶え間ない改善」になる。「物的な手法による確実な対策」が行われ、それがよければ良いほどなおさら「意識の向上」を図っていかなくてはいけないと考えている。良いシステムがあればいいというものではなく、しつこく問題点を見つけることそれが人の安全であると思う。 私はそれをGD3(GD cube)として提言する。

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Q:アメリカがシステム中心といわれたが、医療の面ではどうなっているのか?
A:医療がどうなっているのかはわからないが、車の開発からいうとルールを守るということに大変に真剣である。失敗すると本人の責任になる、そうはいってもいざそのような場面になるとうまいこと責任が明確にならないような仕組みになっている。あとまでごちゃごちゃ言って最終的にその人が抹殺するところまでは行かないようにできていると思う。社会的には問題がはっきり指摘されるが会社の中では微妙にあいまいな部分がある。医療の世界でも個人の責任が追及されないで、問題を究明しそれが未然防止に役立てられているというのは理想の姿であって、やろうとしていることは理解できるが、できているかというとおそらくそれは違うと思う。
Q:ラインを止めてまで問題の追及をするという姿勢はその当時からいいと考えられていたのか?
A:最初からあったと思う。おそらく豊田佐吉の時代から伝統だったのだろう。床に丸を書いてそこで止まって考えろといったのは大野さんの業績だと思う。
Q:かんばんとあんどんの具体的イメージはどんなものか?
A:かんばんとは、部品を供給する箱にカードがついていてその製品が使われるとそのカードが備品供給業者に行くようになっており、その分だけ準備するようになっている。ひとつ備品に不良品があると一台車ができなくなる。供給の無駄を省くだけではなく、どこに不良品があったか、ラインにどんな影響があったかがたちどころにわかるシステムである。あんどんは工場のラインの名前がここに書いてあって故障があるとその部署に赤いライトが点滅するようになっている。その間はラインが止まっているから、ほかの人は休むことになるが、どこに問題があるかということを認識できる。病院で言えば小児科でトラブルが発生しているがほかのかの人は知らない。なんだかわからないうちに病院の評判がわるくなっているようなことが無いようにしている仕組みである。
Q:責任が明確になっていすぎると、つなぎの部分が弱くなるというお話だが、成果主義の評価と相反するように思えるがどうか?
A:自分の宣言したことの達成度を評価する仕組みは多くなってきているが、宣言の達成度のほかに、全体のつなぎに関して同意意識を持っているかということも評価の基準に入れなければならないと思う。
Q:仕事の多能化という話があった。専門主義に成っていることに関して意見が?
A:GMでは一人でできる仕事を何人もの専門家がやっている。一人でやると問題が起きるようなところだけは別にするという前提はあるが、一人で多機能をこなすことができるようにするということは必要であると思う。
Q:標準化にはどのようなポイントがあるか教えて欲しい。
A:看護のマニュアルはなかなか使用されていない印象がある。常日頃見ないと意味が無いというのではなくその標準に対してどういうように変えているかが大切。自分たちで問題を解決しようとしていること、よく見えるようにしていることだと思う。もうひとつはクリニカルパスで標準を作っていくことだと思う。
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