医療制度研究会 〜21世紀の医療を共に考える会〜

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2009年06月29日

病人権利と医療事故調査委員会設置法案(仮称)


厚生労働省は、事故調設置法案の改訂版を最近出し、警察への通報には故意に近いものに限るとしています。それだけのために何でこんなに大きな調査制度が必要なのかと改めて思います。本質的な議論は続けなければなりません。
先日、井上清成氏の講演会(5月9日)で民主党案を分析した結果、新しい
物が見えてきました。大綱案の「職権主義」民主党案の「当事者主義」の違い、なぜ大綱案は報告制度にこだわらなければならないのか。デンマークでは無過失補償制度導入で医療訴訟がなくなったなどです。7月4日の池永氏の講演「患者の権利について」とも関連する内容です。



医療制度研究会ではこの件に限らず論文、論説を今後も掲載したいと考えてます。
建設的なご意見を是非お寄せください。



『病人権利と医療事故調査委員会設置法案(仮称)』


済生会宇都宮病院院長 中澤堅次(医療制度研究会理事長)


 医療事故調査委員会設置法案は大綱案が出て法案化の手続きに入っているが、まだ先行きが見えていない。ミサイルが発射台にすえられたまま点検作業をやっているようなもので、いつ発射のボタンが押されるか分らない。取り返しがつかない惨事が起きる前に、不要なリスクを回避する議論を続けなければならない。
 厚生労働省案に対抗するのは民主党案であるが、両者を比較するとまた新しい問題点が浮かび上がる。大綱案は当事者の間に調査委員会を、第三者として介在させる。第三者機関は当事者ではないから、介入するためにはどうしても報告制度が必要となる。事故は明確に定義して報告するのが難しいから、大綱案では疑いまで網を広げて報告させ、その中からたちの悪いものを拾い上げて、警察へ通報する仕組みになっている。犯罪を疑うなら逮捕状や任意同行など礼儀が必要だが、報告を怠ると罰則だというのも少し乱暴である。
民主党案は、当事者同士の問題解決を基本にしている。問題が解決しなければ第三者に申し出て支援を求めることになる。両者の間で問題は共有されているから、大綱案のような厄介な報告制度をかます必要はない。しかし、これでは隠蔽が見抜けないと遺族が納得しない難点がある。民主党案では、医師法と医療法を改正し、カルテの改ざん、隠蔽を禁じ、事故の詳細を調べて説明する義務を医療側に課している。この手のことは事故の本質とは関係しないが医の倫理と関連する。医の倫理はヒポクラテス以来方向性は不変で、時代を経て問題が生じるたびに改訂を加え、最近では病人権利が定義され国によっては法制化されるところまで来ている。

続きはこちらを参照下さい。

 



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kiyoshi-sakadume@umin.ac.jp

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