医療制度研究会
〜21世紀の医療を共に考える会〜
【ドキュメント医療危機】朝日新聞社、田辺功著のお知らせ
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2008年01月01日
2008年新年の挨拶:中澤堅次理事長
みなさま明けましておめでとうございます。
NPO法人医療制度研究会理事長 中澤堅次
昨年は多くの方々の支援と資金カンパにより、活動の幅を大きく広げることができました。国民の利益のために、古い慣習にとらわれない、何でもありの精神で活動を続けたいと思います。今年もよろしくお願いいたします。
診療報酬改定はわずかでしたが、マイナスにならないですみました。今の日本では、医療費の増額はそのまま国民の負担率として跳ね返るので、保険料が払えない人がすぐ10割負担となるなど、社会保障としてはいびつな運用がされています。増額は国庫の負担増として要求しましょう。私たちの活動も国民に資するもので無ければなりません。
医療は病気という国民生活の危機への対応で、危機の対応には無駄は禁物です。集められた資金で運用される医療での無駄は、資金の循環を絶ち格差を生じます。人生と医療のかかわりを理解すると、医療の無駄が見えてきます。困窮した社会での医療とは?治ることがわかっている病人にとって、また死ぬことがはっきり見える人にとって医療とはなんでしょうか?そのなかで死は重大なテーマで、医療制度研究会でも重視しています。
今年は新年早々診療関連死の法制化が問題になっています。医療がかかわって死んだら犯罪を疑うという前提と、罪科を判定するための仕組みは、医療を根底から揺るがすことになるでしょう。医療は人の死に深くかかわり、行うのは過ちを犯す人間です。死を回避する困難な役割の中でも誤りは発生し、使命の遂行は人の死に結びつく運命を持っています。
“人は誤りを犯す”ことと“誤りに学ぶ改善”は、医療の安全確保に最も重要と考えられています。医療の根底をなしているこの哲学がいま法案化で危機に瀕しています。
私たちは望んでいます。医療者自身の手で、良い悪いを言わずに、死の原因を追求し改善する努力をさせてください。私たちは誤りの反省から再発防止をおこない安全を確保してきました。ある水準が確保できれば次の水準を狙い反省を繰り返します。水準と改善はいたちごっこのように続きますが、避けられない死はそれでも数多く存在します。
避けられない死の存在を認め、死にかかわったことだけで罪を疑うことはやめてください。そのたびに罪を問われ、弁明に追われ、現場が報告を怠れば罰を課す。現場に居ない事故調査委員会が過誤の有無を判定し、刑事裁判で調査結果の活用を認める。誤りに学べば罰を受け、改善もできない現場はがんじがらめの状態です。医療の安全を確保するのは厚労省ではなく現場です。死にかかわりが深い診療科から医師がいなくなる事態はもう始まっています。
誤った理解のうえで進む法案化は医療の崩壊をもたらします。私たちは崩壊する前に最後の力を出そうと思います。
2008年 元旦
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kiyoshi-sakadume@umin.ac.jp
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