医療制度研究会
〜21世紀の医療を共に考える会〜
対談『医師不足地域医療が危ない』月刊誌経済07年1月号
<
TOPICS一覧
>
医師過労死の東京地裁判決
TOPICS
2007年02月27日
日本経団連の意見書
2月20日、日本経団連は下記の意見書を公開しました。投稿者のコメント付ですが、お読み頂ければ幸いです。
投稿者:NPO法人「みんなの歯科ネットワーク」山田 真氏(仙台市、歯科開業)
日本経団連(御手洗冨士夫会長)は20日、「持続可能で国民の満足度の高い
医療制度改革に向けて」と題する意見書を公表し、政府・与党関係方面へ建議し
た。昨年成立した医療制度改革関連法が実施に移されつつあるものの、依然とし
て現状の医療に対する国民の不安や不満は解消されていない。意見書はこのよう
な現状を踏まえ、公的医療保険制度の持続可能性を確保しつつ、国民にとって満
足度の高い医療を実現していくためのさらなる改革を求める内容となっている。
改革が失敗しているから、国民の不安や不満が解消されていないのである。
にもかかわらず、さらなる上塗りをしようとするのか?
「かかりつけ医」制度化など意見書では、現状の医療の不透明性、硬直性など
により、患者、医療提供者、保険料負担者それぞれが抱える不安や不満が蓄積し
ていることに触れ、これらを解消し、かつ制度の持続可能性を確保することが重
要であると指摘。その前提としてまず、国民1人ひとりが健康維持に努めること
の重要性を訴えている。同時に、このような個人の健康維持への努力に対し、国、
地方公共団体、企業、保険者、医療機関等の関係者がきめ細かな支援をしていく
ことを求めている。
公的医療保険制度については、健康を維持する努力を行ってもなお、病気にか
かった際のセーフティネットと位置付けている。これを十全に機能させていくた
め、真に医療を必要とする人に給付を重点化し、効率的に医療を提供することで、
早期の社会復帰を可能とすることが、患者本人にとっても望ましいとしている。
第25条(国民の生存権、国の社会保障的義務)
1. すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2. 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向
上及び増進に努めなければならない。
個人が健康維持への努力をすることは個人の意志において行われるべきであり
それを国が強制すべきものではない。国が行わねばならないのは国民の生存権
を守る義務を果たすべきであり、この義務を放棄して個人の責任を負わせるのか。
またこれを支援するのは国であり、保険者でも、医療機関でもない。日本は資
本主義社会であるのだからこの国の政策を企業からの税によって補うべきでは?
また、医療や健康維持への支出のための積み立てに対し、税制面の優遇措置を
講じる「医療貯蓄口座」の導入についても検討すべきとしている。口座を繰り越
し可能な制度とすることで、個々人が若年期から継続的に積み立てを行い、老齢
期に備えることが可能となるなど、個人の自助努力の受け皿のひとつとして有望
視している。併せて個人の取り組みを後押しするため、民間活力を活用し、健康
関連の多様なサービスを提供していくことも重要であるとしている。
さらに、患者が最適な医療を選択する際の前提として、保険医資格の更新制の
導入や客観的な基準に基づく専門医制度の確立、さらには保険外診療と保険診療
の組み合わせを原則可能とすることなどにも言及している。
我田引水とはまさにこのことである。税制優遇などと甘い誘いをしているが、
結局は患者負担を増加させ、自分たち企業が民間保険を利用してその受け皿に
なろうとしてる。医療や健康維持への支出のために積み立てるのは企業の福利>厚生ではないのか?>「公的医療保険制度の持続可能性を確保し・・・」と言っておきながら、保険外診療とは、いささか矛盾を感じるのは私だけか?
一方、医療提供体制の効率化の観点からは、診療報酬上の評価をベッド数を基
準としたものから、医療プロセスの中で果たす機能に応じた評価へと改めること
が必要であると指摘。これにより医療機関が得意分野に集中的に資源を投入し、
相互に機能分担と連携を図ることをめざすとしている。
効率化の観点から医療機関の得意分野とは、採算の取れる分野と言うこと。
意見書では、患者の総合的な支援を行う「かかりつけ医」の制度化についても
提言。患者の健康管理や初期的な診療への総合的な対応、適切な医療機関への紹
介など、患者の効率的な制度利用を促すことを主な役割として位置付けている。
つまりはフリーアクセスの禁止ですね。
また、医療を患者にとってよりわかりやすいものとするため、ICT(情報通
信技術)を活用し、医療機関ごとの診療行為のバラツキを収斂させ、支払い方式
を現行の出来高方式から標準的な医療に基づく包括的な方式へと改めることも求
めている。
医療におけるICT化は、透明性の向上、情報共有の円滑化、制度運営の効率
化などを通じ、医療関係者すべてにメリットをもたらすとことから、早期に実現
すべきと訴えている。
それは保険者にメリットをもたらすものでしょう。
また「すべてにメリットをもたらすこと」などあり得ない。
こうした改革を進めることで、関係者の努力が報われ、健康関連産業がわが国
経済の牽引役として発展を遂げることが可能となるとしている。施策の着実な実
施により、公的保険給付費の伸びを高齢化を加味した成長率の範囲にとどめ、結
果として経済、財政との整合性をとることもめざしていくべきとしている。
また、政府に対しては、「歳出改革プログラム」の実現に向けた「高コスト構
造是正プログラム」の策定に際して、今回の提言を踏まえ、改革の工程表を早期
に示し、その実現に向けた幅広い議論を進めることを求めている。
「健康関連産業がわが国経済の牽引役として発展を遂げることが可能となる
うとしている。」
本音がでましたね。健康産業が経済の牽引役として発展するということですね
つまり、国民の健康を望んでいるのではなく、健康を産業として見なし、国民
の健康を利益を生み出すものと見なしているわけです。
高コスト構造是正するのなら、直ちにODAを中止し、アメリカ国債を毎年数十兆
円購入することを中止すべきである。この投資は結局は日本にある外資系企業
の利益に還元されているのだから。つまり、国家財政を見れば医療費など毎年
1兆円以下の増加などほんのわずかであり、最も高コストなのは実はそれらの
大企業への投資であることに対して、国民の目をそらしているだけである。
この件に関するご質問、ご不明な点は下記アドレスにお問い合わせをお願いいたいます。
kiyoshi-sakadume@umin.ac.jp
対談『医師不足地域医療が危ない』月刊誌経済07年1月号
<
TOPICS一覧
>
医師過労死の東京地裁判決
Copyright (C) 2006 NPO Iryoseido Kenkyukai. All Rights Reserved.