医療制度研究会 〜21世紀の医療を共に考える会〜

小児科医師の勤務状況調査 < 調査報告のTOP

調査報告


平成16年度日本医師会総会出席報告について


日本医師会総会出席報告 市川直明
平成17年3月27日 於日医会館
> 本文に戻る
「公開質問状」の内容と会長答弁

質問1. 日本医師会(以下日医)のあり方について
日医に加入しているのは、開業医、病院長クラス、医師国民健康保険のために入会している一部勤務医という理解でよろしいでしょうか。資料の提出をお願い申し上げます。
回答: 日医会員数161180人(2/28)。A1会員83546人、A2とB会員で77734人でほぼ半々。

質問2. 現在、日本の医師全体の意見を集約し社会に提言できる職能代表団体がありません。その解決策として医師は全員日医に入会すべきだという議論があります。日医に全員入会すべきか、すべきでないか、日医執行部としての統一見解を、根拠を含めてお聞かせ下さい。
回答: 日本に医師の意見を集約できる職能代表機関がないことは承知している。医療の在り方について真剣に論じあい、得られた結論、考え方、政策立案の場、国民に対して積極的に投げかけていくという真摯なお考えであり、示唆に富むご提案である。
団結のよりどころとなる方法論として全員加入という直接的に強制加入という方法をとるのか、間接的に現状の任意加入法を堅持しつつ全員加入をとっていくのか、医師会は現状のままの任意的な設立を承継すべきか、設立そのものを承継すべきかの選択肢があるが、その前に医師会の設立について歴史的な事実についてお話しする。
大正時代の後半から戦前の時代、と戦時中に強制加入の制度があった。この2つは同じ強制加入という条件を使いながらかなり性格のことなったもの。大正時代から戦前時代の強制加入は、医師会な内部からの働きかけ医薬分業の議論が巻き起こる中で、医師集団内部からの団結力強化を望む声が法制度として結実したものとみられる。
戦時中にとられた強制加入は戦時体制という特殊な状況において、国家権力が医を供給する体制をいかにコントロールしやすくするかという点から国家によって作り出された制度。よってこの戦時中の医師会の在り方への反省から戦後GHQによって民主的な任意加入という現在の姿が形成になった。このように、この2つの強制加入の経験をもとにして少なくとも国家権力の支配の道具となるような強制加入の在り方はさけるべきでありましょう。これらをふまえて強制加入をするには、医師法改正、新たな立法が必要であり、下記の様ないくつかの問題点がある。
   
1) 憲法第21条結社の自由、第22条職業選択の自由を保障した条文とのかねあい。
  結社の自由は団体をつくる自由を保障すると同時に、団体に属さない自由も保障するものであり、また医師会への強制加入が法制度化されれば、医業を行えないとするとそれは職業選択の自由に制限を加える。日弁連のような監督官庁のない団体の設立を法によって認められるかというと非常に疑問である。
  憲法問題とのかねあいで参考となるのは公認会計士の場合。内閣総理大臣による制限がいくつも盛り込まれており、国民医療のためにこれまで通り運営できるかはなはだ疑問。
2) 現在の規制緩和に逆行するとうけとられる可能性もある。
(中略)
3) 医師全員強制加入となると医師会の時代だととらえられ国民から立法反対の世論が巻き起こる可能性がある
4) これまで以上にあるいは不必要なまでに中立性透明性公益性を求められることが想定される
5) 医師会の有益性を高めるために取り組んでいる医療改革を別な大きな力に左右されかねない。
  総合するとすべての医師が加入する職能団体をめざすという方向性は正しいとしても、その在り方としてはあくまでも医師自らの民主的運営を基調とする。
(中略)
  この問題は日本医師会が何も考えていないわけではない。諸外国の例もよく調査する。

質問3. 現在、日本全体の医師数は、過剰なのか適正なのか不足しているのか、日医執行部としての統一見解を、資料、根拠を含めてお知らせ下さい。
回答: すでに代議員会で報告させていただいた。医師の絶対数が不足しているのか、地域、科目的に偏在しているのか、確実なデータを把握する必要があり、日医はこれに早急に関与したい。今から医学部の供給を増やしたとしても医師ができるまでにほぼ10年かかる、10年後に育った医師はそれから約50年働くわけであるので、冷静な判断なくして一度に医師を増やすことは将来に大きな問題となる可能性があり、慎重に対処すべきである。

質問4. 地方病院における医師不足、特定科での医師不足が深刻化しています。医師不足を来している診療科名及びその原因につき、なるべく多く挙げて頂いた上で、日医執行部としての対策を資料、根拠も含めてお知らせ下さい。また、その地方病院及び特定科において、労働基準法等に照らして、適切に対処しうる状態とお考えかどうか、資料、根拠も含めて日医執行部の統一見解をお知らせ下さい。
回答: これから調査し、対応する予定である。過重労働については十分状況を把握している。医師数、医療財源、診療報酬と大きな関わりがあることは自覚している。

質問5. 診療報酬が、医師の仕事内容に見合ったものと考えていらっしゃるのかどうか、中央社会保険医療協議会委員を独占していらっしゃる日医執行部としての統一見解を資料、根拠含めてお知らせ下さい。
回答: 我々の仕事内容に見合った診療報酬を得られていないということは誰しも感じていることで、不満足である。ただ、政治的な問題の中で、医療費の財源、診療報酬をアップするということについての日医の努力と相手の在り方に大きな問題があるということを理解してほしい。引き続き努力する。

質問6. 組織の民主化のために、会長を会員による直接選挙により選出すべきだという議論がありますが、日医執行部としての統一見解を、根拠を含めてお聞かせ下さい。
回答: 会長直接選挙については前々回の代議員会でも質問があった。日医は代議員制をとっている。この状況の中で。すぐに日医会長候補をどのように全会員がどのように理解してもらえるのか疑問、広報ということで現在も日医ニュース、日医雑誌をお送りしているが、その多くはくずかごにいっているというご批判がある。会長直接選挙にした場合、どうだろうか。各地区医師会役員、代議員の選出を民主的に行うことにより、民主的な各県医師会代議員から選ばれる日医代議員により会長が民主的な選挙で選ばれるということで当座はこれでよかろうと思っている。将来的に直接選挙を否定するものではない。

日医執行部と日本医師連盟(以下日医連)委員は全く同じですので、以下質問させて頂きます。

質問7. 執行部と日医連委員が、全く同じであり、しかも、日医連が自民党への政治献金主体であることは、日医が公益法人として活動する上で妥当なことかどうか、日医執行部としての統一見解を、根拠も含めてお聞かせ下さい。
回答: 難しい問題は日医と日医連の役員が全く別々にしたときのことを考えると先ほどの代議員会でのご要望があったように「政治活動を毎日せよ」ということであった。
日医役員、常任理事は毎日執務している。日医連の役員に選出された方が、同じように毎日ご出勤いただけるかということについてご苦労であろうと思うし、現在毎日出勤している私たちが専任でやっていると動きやすいという気持ちもあるが、特に意図があるわけではない。
日医連の規約にあるように日医の活動を助けていくという意思疎通という問題もある。現在の状態から(分離に関して)徐々に進めていきたいということでご了承を賜りたい。

質問8. 郡市医師会A1会員が群市医連へ加盟することを規約で定めているという情報があります。実際、そういう規約が存在するのかどうかという点と、郡市医師会A1会員における郡市医連への加盟率を資料含めお知らせ下さい。
回答: 規約はない。日医連、郡市医連の加入は全く自由。A会員の加入率70%くらいかなというところ。

質問9. 市医連会員年会費の一部の資金が、都道府県レベルの医師連盟へ、そして日医連へと医師会事務局を通じて「上納」されるしくみになっているという情報、及び日医連における政治活動内容が郡市医連会員には明かされていないという情報がありますが、上記の実態が存在するかどうか、さらにその状態が適切かどうか、資料、根拠も含め日医執行部としての統一見解をお知らせ下さい。
回答: このようなことは決してない日医連は各県医連を通じて会費を納入してもらっているのであって、「上納」されているわけではない。連盟の会員には必要な時に医連ニュースをお送りしている。医連の活動は、日医を支えるもの、日医の活動は日医ニュースその他でご連絡しているため、ほぼどういうことをしているかということは、会員の先生方には十分ご理解いただける状況にあろう。

質問10. 国民の医療に対する信頼が低下してきています。その原因につき、日医執行部として考えている原因とその対策につき、根拠を含めお聞かせ下さい。
回答: 医療事故をはじめとした医療安全の対応に対する不満であろう。この問題を考えながら日医のもっとも大切な事業として、生涯教育、ことにその中でも倫理を含む基礎的な技術を向上させる、基本的医療課題というテーマを最優先事項としている。専門医の更新に関しては、日医が推進する基本的医療課題の一部にさせていただきたいとお願いしている。そのような形で、おのおのの医師の意識の向上と技術性の向上ということで国民の医療への信頼を高めていきたい。

> 本文に戻る

小児科医師の勤務状況調査 < 調査報告のTOP

Copyright (C) 2006 NPO Iryoseid Kenkyukai. All Rights Reserved.