アンケートのお願いを、関東・東北の約560病院に送り、協力していただける病院でコピーを医師に配っていただき回答をいただきました。17病院に御参加いただき、回答数は489人でした。御協力有難う御座いました。
◆調査に御協力いただいた病院の内容
病院は17病院(500床以上6、200床以上8、200床以下3)で、すべて急性期病院。研修指定病院8、救急救命センター併設4病院でした。回答数は職員数の多い病院で多くなるため、救急指定病院と研修指定病院の医師の回答が65%を占めました。調査は関東・東北地区の地域中核病院の色彩が強いと考えられます。
◆結果
1)最も多かった出勤時間帯(過去1週間)
2)最も多かった退出時間帯(過去1週間)
17時〜19時 27% |
19〜21時 51% |
21時以後 22% |
3)最も早かった出勤時間(過去1週間)
4)最も遅かった退出時間(過去1週間)
17時〜19時 2% |
19〜21時 35% |
21時以後 62% |
5)過去1週間で最も長かった連続勤務時間
12時間以下 19% |
12〜30時間 29% |
30〜36時間 26% |
36時間以上 25% |
6)連続勤務の代休
7)1週間の合計労働時間
40時間以下 1% |
40〜50時間 14% |
50〜60時間 32% |
60〜70時間 28% |
70時間以上 26% |
8)1日以上の週休をてとることができるか?
取れる 20% |
まあまあ取れる 27% |
たまに取れる 21% |
取れない 29% |
9)超過勤務手当て
支給あり 21% |
時間制限で支給 41% |
支給なし 36% |
10)仕事の感想
余裕あり 4% |
適度 36% |
忙しすぎる 46% |
限界に近い 14% |
11)時間外研究活動の時間(1週間合計)
なし 4% |
3時間以下 48% |
3〜6時間 33% |
6時間以上 15% |
12)後進指導診療時間(1週間合計)
なし 35% |
3時間以下 36% |
3〜6時間 15% |
6時間以上 15% |
13)診療外病院活動(1週間合計)
なし 15% |
3時間以下 64% |
3〜6時間 15% |
6時間以上 6% |
14)仕事と給与のバランス
満足 9% |
まあまあ満足 37% |
安い 45% |
わからない 8% |
15)医師の仕事に誇りを持っているか?
持っている 59% |
まあまあ持っている 35% |
もっていない 3% |
わからない 3% |
16)多忙で転職を希望することがあるか?
なし 60% |
開業 16% |
その他の医療職 14% |
医師以外の仕事 10% |
●フリーコメントを御意見として掲載いたします。
○(1)患者をどんどん取れ、かつ在院日数を減らせという姿勢に多少抵抗がある。(2)忙しく仕事をして、手術件数も増やせ、且つ医療事故を起こすなというのは無理がある。(3)外来を完全紹介性にして欲しい。
○超過勤務手当ては支給制限のほかに二割カットとなっている。年々仕事がきつくなっている。せめて当直明けは、ゆっくり休みたい。現在の当直は当直というより夜間勤務に近い。
○忙しさに関しては科の性質上、拘束時間は長くない方だが、外来が非常に混乱し、当直明けで本力や注意力が低下してしまいがちな時ほど、特に治療上の問題が起きないか不安になる。
○忙しさの設問は(2)適度と思うと(3)忙しすぎるの中間で「忙しい」。
○Duty(外来・検査)が多いため、なかなか休みはとれません。Dutyの少ない人との不公平感あり。当直明けは、せめて午後休ぐらいにして欲しい。
○医学の進歩は早くなかなか追いつけない。世の中は患者の権利意識の上昇が著しい。それをマスコミがあおり、医師の厳しい環境が進み、誰が一体幸せとなっていくのかが疑問になる。マスコミに訴える。どんな医療が医師の時間外勤務などを引き起こさずに望まれるのかと
○医師として仕事に誇りを持ち働いていますが、今の生活が続くといずれは、自分の体が壊れてしまうのではないか・・・。心配です。現在勤務している施設での給料体制よりも、社会として医師の立場向上誤解が今後なくなるとよいと思います。
○医師の仕事量、仕事内容を知らずに給料が高いと思われる傾向には 腹が立つ。病院が大きいと全体に自分の仕事内容を理解されづらいのが問題
○忙しくても患者さんから「ありがとう」と言われたり、感謝の手紙を貰ったり、何年もして外来に患者さんが「元気にやってます。」と言って訪ねてくれたりすると、すべての苦労を忘れてしまう。そこだけが医師のとしての仕事の醍醐味ではないでしょうか。でも、夏休みくらいは取りたい。
○多くの人に医療の実態を知っていただけたらと思います。
○同じ内科でも仕事量に差がある。
○外来診療が時間に追われ、すごくストレスに感じる
○過剰に働かせ過ぎる。上の評価が全くない。使い捨てのような感じあり。研修医などの相談などが少なすぎる。勉強しない医者が多い。病診連携を軽んじている医者が多すぎる。
○患者サイドと医療サイドではそもそも職業に対する認識の差があると思います。人道的になどと要望はあるでしょうが、それはまわりの人間としての多くの「ぎせい」の上になりたっているという認識を患者に持ってもらう必要があると思います。その見返りとして高い給与を得ることは自然なことで、このままでは魅力のないなり手の少ない職業となってしまうのではという危惧もあります。
○急性期医療を担う病院として、県内では先端の病院ですが、他の病院とかなり異なり紹介患者やトラブル患者の紹介が多く、また入院期間も短くする方向のため、患者との問いの意思の疎通など、難しい面を持った病院である。研修するにはいいかも知れないが、持続して勤務するには難のある病院。あくまで外が利用するのに便利な病院となっていると思う。
○給与レベルが最低。レジデントが病院の仕事をこなしている。医師を積極的に集めることが必要。待遇が悪いのにもかかわらず勤務するのはレベルが高い医療が出来ることを期待しているからであるが、職員のやる気を引き出すような策を期待する。国立病院であるせいか意見は反映されない。
○経済力さえあれば、勤務形態を変えたいと思う時もあります
○研究職に従事しているもの、出産育児休暇中のものなども含めた、登録上の医師数で計算すると、「医師不足」という結果になるかも知れないが、実際に第一線の医療を行っている医師の数は明らかに不足していると考えられる。特に医療技術の高度化、患者の権利意識の向上を考えると、医師数の不足は深刻であり、上記アンケートの回答通りの多忙な日々を送っているにも関らず。個々の患者に対してのきめ細かい対応は十分に出来ておらず、そういう意味での ストレスもある。個人的な意見としては、医療費の患者負担を増やし財源を確保し、医療従事者を増やすことがbestでないにしてもbetterと思われる。
○現在の勤務先は麻酔科内の仕事分担が公平にまあまあ取れているので良い。他科を見ていると、受け持ち患者に対しての個人請負、無責任制の体制のところもあり、そのようなところでは、勤務時間は減らせないでしょう。医師によっては、先輩、後輩意識の強い人が居るが、労働資源の効率運用という観点からはよろしくない。医学部学生時代から、平等主義(ヨーロッパ風)教育を行った方がよい。
○現在の仕事はやりがいもありますが、病院(院長)からのリクエストがきつく、また大学直結につき教授からの医員指導人の介入もあり、両方のリクエストに答えることに無理があります。医員の指導と自分の学会発表や論文を作成するとなると、自分のプライベートな時間をもつことはかなり厳しい。こんな状況が続くとなると、そのうち過労死してしまうと最近本気で思っています。
○現在の当病院および当科全体の仕事量を考えると、研修医一人ではかなりヘビィーな状態です。もう少し、状況が改善されると助かります。よろしくお願いします。
○仕事には誇りを持っているが給与が安い、時間外はまじめにつけてほしい。
仕事の量が多く自給が少ない。絶対的な不満ではないが仕事の量が多くそのためと思う
○仕事量の評価がないに等しい。例えば手術をする科は急患では必ず3人以上の人員を必要とするし、特に外科では何でも屋のように扱われる。これが評価されれば働く動機付けを維持できるが、一件のope点数や検査の点数が高い科と売上高だけで比較されているのは納得がいかない。いずれburn outすると思う。
○質問内容に偏りがあり、ある一定ノアンケート結果を出せるようにだけ作成されている。
○社保レセプトの再任審査員となり、時間が追い詰められた感あり。管理職として実診療から次第に遠ざかるのは仕方ないが、手術の緊張感が懐かしい。
○集計データの公表を是非お願いします。
常勤医の仕事が多すぎる。安心して使用可能なベットがほぼないに等しい。市内全体で救急はやるべきで、病院単位では無理。大学での教育の変化で医者はほとんどいなくなりつつある。各分野の連絡をもっと行いやすい環境を整える必要がある。
小児科医の当直は、ほぼ夜勤に近い勤務状態である。翌日午後の外来診療で、適切な診療が出来ているか、不安である。数年前に、小児科医の過労死があったが今後もきっと改善されないような気がしてならない。自分のために早くやめたいと思っている。
○心臓外科は2名でやっているので定例手術に緊急手術が加わると週平均の勤務時間は80時間を越えることもありかなりむらがある。2人で行う仕事量は年間を通じて考えると限界。その割りに給与に反映されないので不満。
○診療や、そのための研究以外に取られる時間が年々多くなっており、(自分自身のみに限らず、かなり若い先生も含めて)病院勤務のうちに、矛盾を感じることも多い。(会議のための会議が多すぎる。)国は医療費抑制や資本主義理念の導入ばかりに目をとらわれず、本当に必要な医療の需要・供給の均等化、そして適切な人材確保、報酬の確保に努め、そのために予算配分して欲しい。
○設問3に返答すると一人(〜二人)だけの診療科では即座に医師個人が同定されてしまいます。全然匿名アンケートになってません。設問15に関しては、今週は平日当直を2回行ったために、比較的長時間になりました。尚、診療科所属の医師が一人〜二人の科では代休や有給休暇は根本的に無理。
○高いだけで効果のない薬の使用をやめても病院が赤字にならないような制度改革が必要、効かない薬を作り続けてきた製薬業界はリストラされるべき
○楽しく働いています。
○他の職種に比べて責任が重く、ある程度は多忙であることは当然と認識している
○多忙およびその他の理由を含めて転職を考えている。
○多忙が理由ではないが転職を考えている。
○多忙につきる。最近は肉体的ストレスに加えて、精神的ストレスが多くなり気持ちは限界に近い。県内最大の検診センターを持ち県内唯一の救急を扱う呼吸器科のため、依頼は膨大で出張(アルバイト)もない。しかし周囲からは全く感謝の言葉はなく不平不満しかない。正直言って訴えられる前にやめたいと思っている。
○多忙のため転職は考えないが将来医師以外の職種につきたいと考えている
○多忙の一言
○地域等の差を考えて欲しい。仕事量がありすぎて、精神維持が困難となる。スタッフによって仕事量に差はないか?Dr.のみ頑張っても良くなるか?診療時間の連絡不足分
○中堅医師の給与が少ない。初期研修の体制が良くないと地盤沈下する。
定年退職直前で、当直も行わず病棟受け持ち患者もいないので、当院医師としては例外中の例外と思います。
○土・日のかつ東京など近くでの学会出張しかできない。(定員が少ないので、外来診療に支障が出るので。)
○問25忙しさについては(2)適度と(3)忙しすぎるの間です。
問11連続勤務に関して→医師は途中適当に息抜きしているので連続と言われるとわからない。
○問25忙しさについては(2)と(3)の中間です。
特に御座いません。どうも皆様お疲れ様です
日勤対の仕事はちょうど良いと思いますがスタッフの数が少ないために当直回数が非常に多い状態です。
○一人医長のため、(有給を取って)外来を休めない。二人以上の科では研究日を取れる(原則として)し、研究日に大学の医局から非常勤を出してもらえるのが、体制は科によりまちまち。公立病院ということで、職員は公務員扱いとなっているが、無能〜低能な職員が多く、且つ長く居座っており、人事が停滞している。(特に看護職)リストラや能力給・勤務年数による昇給体制を見直すべき。
○病院業務は益々複雑化し、外来患者の増加とあいまって首が回らない状態。精神的な疲労は慢性化している。この一週間は年始に当たり普段より仕事量は少なかった。
○保険審査に審査員として院外に行っていることが特殊な状況である。
麻酔科のope室業務は、ope室の数及び業務を考えると、医療レベルを下げることによってなんとか維持されている。これでは医療に対して満足度を得ながら仕事をするのは難しい。したがってまともな麻酔科医はこの病院に来て働きたいと思っていない。
○昔からの習慣が重視されてしまっており、医療の質etc・・・が旧態然としていて、改善することが難しい。医療の改善、向上のための時間、システムがなく、雑務で毎日過ぎてしまっている。
○もう、疲れました・・・
もっと指導してくれるか、自分で勉強できる時間を作ってほしい。書類にかかる時間が多すぎる。
○夜間手術など超過勤務を認めてほしい。かのスタッフを増員してほしい
○有給休暇と超過勤務制度が存在しない
○私の場合、小学校に入る前の子供が二人いて、主人とは勤務の関係で別居していて、子育てがほとんど一人にかかってくるので、その分当直を免除してもらい、日曜の昼間勤務をやっている。仕事と家庭の両立はとてもきついが、仕事を減らすことはできない。続けるか辞めるかの選択肢しかない。それでも仕事に生きがいと誇りを持っているから続けられる。現在は、四人がチームとして働いているが、せめて六人いればと思う。
◆コメント
忙しい忙しくないは主観的な問題、忙しさと質は別物など、いろいろな意見があります。医師ばかりの問題ではないかもしれません。でも過剰な忙しさはサービス低下になり、医療の場合サービス低下は受療者への危害になることを考えなければなりません。病人と関係のないいろいろな人が周りで分析して考えた結果が政策として出てきます。なぜ現場の考えが政策に反映しないのか、現場の医師の病者に対する責任として真剣に考えましょう。